抗がん剤=オプジーボ治療ができる病院は?大橋巨泉 夢の新薬を期待!
大橋巨泉さんは2016/7/12に82歳で永眠されたことがわかりました。
大橋巨泉さんはリタイヤ後もがん治療をする
闘病生活をありのまま、伝えて
世の中に大きな影響を与えてきました。
「がんは克服できる!科学の進歩は素晴らしい!長生きしなきゃダメ!」
と我々に勇気と希望を与えてくれました。
最近では、小野薬品工業から画期的な抗がん剤治療薬
オプジーボ(=「ニボルマブ」が一般名)が開発されて、
アメリカを先導役として世界「中へ新しい治療方法が広がろうとしています。
大橋巨泉さんが訴えてきた、長生きすれば、
ガンを根治する新薬が開発されるという夢が、
今、実現しつつあるともいえる抗ガン治療方法なのです。
ただし、臨床試験中の薬でもあって、ニボルマブを
投与できる病院は限られています。
大橋巨泉 フェーズ4の咽頭がんを克服!がん治療の進歩を証明!
夫が2005年に胃がんを手術、2013年には第4期の中咽頭がんで3度の手術と4回の放射線治療、
昨秋には2度の腸閉塞と手術を、そして4月の在宅介護の鎮痛剤の誤投与と続いても、
12日までの約11年間の闘病生活を勇敢に戦って来ました。
出典:喪主を務めた妻の寿々子さんのコメント全文
大橋巨泉さんの奥様が語るように、なんと、胃がん手術を受けてから、
11年間も生きながらえたのです。
よく、5年生存率ということばがありますが、
5年どころか、10年を越えて、元気に活動していました。
長生きすることで、医療技術、抗がん剤治療薬も進化するので、
大橋巨泉さんは、自ら、夢のがん治療薬の到来を期待して、
闘病生活を送ってきたともいえます。
そして、これまでの抗がん剤とは違うタイプの画期的な
抗ガン治療薬が開発されてきたのです。
小野薬品の抗がん剤新薬「オプジーボ」は大橋巨泉も待ち望んでいた夢の新薬か?
小野薬品が開発したオプジーボという抗ガン治療薬はこれまでの
抗がん剤とは違う方法でがんを治療する薬です。
オプジーボの一般名はニボルマブと呼ばれています。
画期的と呼ばれる新薬の仕組みは次のようなものです。
癌細胞は細胞表面にPD-L1を発現しており、
免疫細胞であるT細胞のPD-1と結合して
免疫細胞の攻撃を免れている。
ニボルマブは、癌が免疫から逃れるための
チェックポイント・シグナルPD-1を抑制することにより、
リンパ球による癌への攻撃を促進する。
出典:ニボルマブ 薬理
がん細胞の怖いところは、人の免疫細胞からの攻撃を
逃れるという作用があることです。
突っ込みどころがおおすぎて…。しかし、抗PD-1抗体ってこういう風に結合するんだー(棒)。日経だからしょうがないか。 pic.twitter.com/KPNjMr7F2n
— なんの博士 (@nannosono) 2015年9月24日
がん細胞が人の免疫細胞からの攻撃から逃れられないようにする働きがある
「チェックポイント阻害剤」と呼ばれるのがニボルマブの画期的な仕組みです。
しかも、免疫細胞を活性化してがん細胞を攻撃する
という仕組みである点も
これまでの抗がん剤には
なかった薬理効果なのです。
小野薬品が製造販売する新薬の報告内容も
ご参照ください。
2014年9月2日のIRです。
オプジーボはヒト型抗ヒトPD-1 モノクローナル抗体です。
PD-1 は、リンパ球の表面にある受容体の一種で、
生体において活性化したリンパ球を抑制するシステム(負のシグナル)に関与しています。
がん細胞は、このシステムを利用して免疫反応から逃れているという研究成績が
報告されています。
オプジーボは、リンパ球を抑制するPD-1 の働き(PD-1 と結合するPD-L1
およびPD-L2 との相互作用)を抑制することで、
がん細胞を異物と認識してこれを排除する免疫反応を亢進することにより有効性が期待されている薬剤です。
なお、オプジーボはPD-1を標的とする治療薬としては、
世界で初めての薬剤です。
日本ではまだガンに対する適用の範囲が狭いので、
アメリカでの抗がん剤としての承認を先導役として、
徐々に利用され始めたばかりの段階です。
大橋巨泉さんが前々から言っていた、
医療技術の進歩が現実のものになりつつあるのです。
オプジーボ治療の副作用があり、病院は限られている!
小野薬品工業(大阪市)は19日、がん治療の新薬オプジーボ(一般名・ニボルマブ)について、
自由診療の「がん免疫療法」との併用で重い副作用が6例あり、
うち1人が死亡したとして、医療機関などに対し、
国に承認された使用法を守るなど適正使用を要請する文書を出した。
オプジーボはがん細胞の影響で抑えられた免疫を再活性化させる仕組みで、
肺がんと皮膚がんの一部の治療用に承認、保険適用されている。
同社によると、60代の男性肺がん患者がオプジーボ投与後、
別の病院で自由診療の免疫療法を受けて心不全で死亡するなど、
有効性や安全性が確認されていない使用実態があったという。
同社は、緊急対応ができる施設で適切と判断される症例にだけ
オプジーボを使うように呼びかけている。
オプジーボをめぐっては日本臨床腫瘍(しゅよう)学会が13日、海外から輸入し、
効果・安全性が確認されていないがんへの使用などが一部の施設で見られるとして、
患者向けに注意喚起の文書を発表している。
オプジーボの副作用で、他の抗がん剤との併用をしたことで、
死亡例があったことが報道されて、翌日、
小野薬品株が下落するようなことにもなりました。
注意するべき点は、患者の要請を受けて医師が認めた自由診療では確かに、
オプジーボを投与されることもできるのですが、
他の抗がん剤との併用などについては、
データがまだ十分ではないため注意が必要であることです。
オプジーボそのものに問題があったというよりも
利用の仕方に問題はあり得るという事例です。
オプジーボについては北里大学がん診療センター長である
著者が書いた本「今こそ知りたい!がん治療薬オプジーボ」も
ご参照ください。
オプジーボ治療が受けらえる病院には条件がある?
小野薬品によると、あくまでも、「緊急対応ができる病院」での
利用を求めています。
ある患者の例では、副作用がでて、国立がん研究センターへ
緊急搬送されたという事例もあるようです。
その意味では、国立がん研究センターに相談をしてみるという
選択しもあり得るでしょう。
また、オプジーボの薬価が異常に高いことで、
日本の国家財政を心配する医師として國頭英夫先生がいます。
肺がんの名医としても知られていて、肺がんの抗がん剤としては、
オプジーボは非常に素晴らしい薬であると評価しています。
國頭英夫先生が所属する病院は
東京都渋谷区にある日本赤十字社医療センターの
化学療法科になります。
オプジーボが今後適用になる可能性があるがんはどんなものか?
現在、海外においては、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、頭頸部がん、膠芽腫、小細胞肺がん、
尿路上皮がん、肝細胞がん、食道がん、大腸がん、固形がん(トリプルネガティブ乳がん、胃がん、膵がん)、
血液がんなどのがん腫を対象とし、
オプジーボ単剤療法または他の治療薬との併用療法による臨床試験を実施中です。
一方、日本では、小野薬品工業株式会社が 2014 年 9 月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売しました。
2015 年 12 月には、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する承認を取得しました。
また、腎細胞がんおよびホジキンリンパ腫についても承認申請済みであり、
頭頸部がん、胃がん、食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、卵巣がん、
尿路上皮がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中です。
現在、承認取得されているのは切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
のみです。
「腎細胞がん」は2016年9月に日本でも承認されました。
「ホジキンリンパ腫」(悪性リンパ腫の1種)につていも申請済み
とありますので、オプジーボが承認される日が近いと推測されます。
今後は、大橋巨泉さんも当初発症した、胃がん(切除不能なもの)への適用も
進んでいて、
2016年12月に承認申請が完了していますので、
承認を待つ段階です。
オプジーボに限らず、今後、巨泉さんの念願の夢だった
医療技術が進化してがんが根治する確率は
高まっていくのではないでしょうか?
大橋巨泉さんの闘病生活が医療の進歩にも
影響与えてくれたのではないでしょうか?
ご冥福をお祈りいたします。
オプジーボのような最先端の医療が受けられる病院を探すには?
いい病院というのは人それぞれに、違うものです。
手術実績が多いから信頼できるという人もいるでしょうし、
安全重視であることを評価する人もいるはずです。
病院選びの一つの指針として、
という本は新聞社が取材して調査の上で
各病気ごとに実力のある病院を掲載しているので、
病気で困っている人のかすかな
明かりにもなり得るのではないでしょうか?
100%正しい情報であるかどうかは別としても、
取材、調査能力にたけた人たちが
いい病院をランキングしてくれているので、
参考にしてはいかがでしょうか?
そのうえで、オプジーボなどの最先端治療を行っているのかについて
あるいは処方実績があるかについて
と言わせてみてはいかがでしょうか?
セカンドオピニオンを希望する方は、
オプジーボの生みの親である本庶佑教授が理事長を務める
先端医療振興財団が運営する「先端医療センター病院」
で意見を聞いてみるのも方法の1つです。
先端医療振興財団については、
⇒本庶佑教授は神戸の先端医療振興財団理事長!ノーベル賞受賞者の共通点とは?
をご参照ください。