バフェットの師匠グレアムに学ぶ 世界同時株安を乗り切る投資法とは?
イギリスの国民投票の結果はEU離脱(ブレグジット)の決定になり、
期待が裏切られる形で、
日本の日経平均株価が一時、1300円超の下げになって、
世界同時株安となりました。
ブレグジットは1つの例に過ぎませんけれども、
世界同時株安は今後も何らかのショックによって
繰り返されるでしょうし、
株価暴落も覚悟をしていく必要があります。
そのうえで、株価暴落場面を投資チャンスにする
アメリカの著名投資家であるウォーレンバフェットが学んだ
投資の師匠であるベンジャミン・グレアムの
投資法に学び、株価暴落時をチャンスにして、
今後の投資法に磨きをかけていきたいものです。
ベンジャミン・グレアムは全米一の著名投資家バフェットの投資の師匠!
ベンジャミン・グレアムは幼いころに父親を亡くしていましたが
苦学の末にコロンビア大学を優秀な成績で卒業をして
ウォール街(証券界)に入りまりました。
証券会社でアナリストとして活躍し、1929年から1933年の
大恐慌時代を乗り切り巨万の富を築いています。
1928年からコロンビア大学ビジネススクールで証券投資の
講師をつとめていますが、
教え子には著名投資家のウォーレンバフェットがいました。
ウォーレンバフェットはグレアムが唯一A+の評価を与えた優秀な生徒でもありましたが、
バフェットからみたグレアムもまた、父親を除くすべての人々の中で、
私の人生に最大の影響を与えた人物
であると語っている証券投資の
教育者でもありました。
21時から2円近い大きな円高。上下しながらもまた徐々に徐々に下がって来そうな感じがして、日本株には手が出せない。
しばらくはアストロンで、財務諸表の見方や外国投資、グレアムやバフェット、オニールについてなど諸々を勉強する時間に充てることにしよう。初心者頑張る— 夏野 青空 (@nakimushilion2) 2016年6月3日
世界同時株安が起きている今は相場との付き合い方、
投資方法について学びなおす機会でもあります。
株価暴落事例・・英国のEU離脱によって世界同時株安が発生!
アベノミクス相場は円高から円安のトレンド転換が起きて、
輸出企業の業績が急回復してきました。
アベノミクス相場はイコール自動車株の相場といってもいいくらいです。
英国のEU離脱で今後金融市場では円高が進みやすくなるという
見通しで円高が進行し、
日経平均株価は2016/6/23木曜日の大引けである16238円から
2016/6/24金曜日の大引けは14952円
(安値は14864円)まで下落して、
日本株の指標である日経平均株価は
1300円近い下落となりました。
日本の大企業はグローバル展開を進めている企業が多いために
為替の円高が収益悪化にながります。
特に、自動車関連株の大幅下落が
相場を押し下げていく懸念もつよく
ショック安となりました。
大恐慌を乗り越えたグレアムの名著「賢明なる投資家」の投資法に学ぶ!
イギリスのEUからの離脱が想定外であったことで
大きく株価が下落しました。
確かに一時的に世界同時株安が発生していますが、
大恐慌にまではならないでしょう。
大きく下落してしまと反転上昇相場になるまでには
時間がかかることは知られています。
(投資家心理が冷え込むため。また、株式の評価下落に伴って受給が悪化することで)
EU離脱決定によって起きた世界同時株安は一例に過ぎず、
相場は上下動を繰り返していく過程では
今後も世界同時株安は発生します。
そして、日本株の暴落場面を乗り越えるヒントが
著名投資家のグレアムの投資法です。
グレアムの投資方法は会社から公表されている
情報を分析することで企業の安定性と
割安株を発掘する手法です。
バフェットの人生にも大きな影響を与えたグレアムは
1949年に個人投資家にむけて
「賢明なる投資家」という名著を出版しました。
私の投資哲学の基礎は、ベン(ベンジャミン・グレアム)が著した『賢明なる投資家』の第八章「投資家と株式市場の変動」と第20章「投資の中心概念」に、ほぼすべてが書いてあるといっても過言ではないでしょう。この本は、人生最高の一冊です。
— バフェットの哲学 (@BuffetMoneyWord) 2016年6月27日
賢明なる投資家の序文にはバフェットが自ら、
本の紹介文を掲載しているくらいバフェットも絶賛する名著なのです。
著名投資家グレアムの銘柄発掘法とは?
「賢明なる投資家」で詳細はぜひ学んでいただきたいのですが、
グレアムの銘柄発掘法について説明します。
グレアムの銘柄選別方法は
- 株式投資は十分な分析にもとづいた安全性の高い銘柄に投資する
- 十分なリターンを得るためには割安株をみつけること
といった方針が取れれています。
安全性の基準としては、
- 負債合計が株主資本より小さい⇒会社四季報で確認可能
- 流動資産合計が流動負債合計の2倍以上(金融資産を多く保有しているか?)
- 負債合計が純流動資産(※)2倍以内
- 過去10年の一株利益の平均成長率が7%以上
- 一株利益が5%以上減益となったのが10年のうち2回以内
※(純流動資産=流動資産合計−流動負債合計)
を掲げています。
また割安基準としては
グレアムの割安基準「配当利回り…AAA格債の2/3以上」「株式益回り…AAA格債の2倍以上」「PBR1倍以下」「1株あたり純流動資産額 株価150%以上」「PER 対象銘柄群下位10%」のうちどれか1つ p.67
— ヴェリッター (@Veritter) 2010年11月23日
- PERの逆数である株式益回りがトリプルA格社債の利回りの2倍以上
- 株価収益率が対象全銘柄の中で低い方から10%以内
- 配当利回りがトリプルA格社債の利回りの2/3以上
- 株価が一株当たり純資産(簿価)を下回っている
- 株価が一株当たりの純流動資産の2/3を下回っている
といった5つの基準を設けています。
割安基準の1番目にある
株式益回り=一株利益÷株価で示されるので、
PERの逆数になります。
例えば、PERが13倍は割安という言い方をしますが、
株式益回りは7.69%(=1÷13×100)ということになります。
7.69%がトリプルA格社債の利回りの2倍以上
水準なら買いという判断の仕方をします。
グレアムは安全基準の5つと割安基準の5つをすべて満たすものを
選ぶということではなく、
安全基準の1つと割安基準の1つを同時に満たすような株価水準であれば
基本スタンスは買いという判断ができると考えています。
表向きの業績などは基準を満たしているかもしれませんが、
今後業績の下方修正が円高の為に発生してきます。
そのあたりも考慮してグレアムの示す
安全基準や割安基準を満たすような株式を
発掘するべきなのでしょう。
詳細は賢明なる投資家を
是非、ご覧ください。
バフェットの師匠グレアムが個人投資家に向けて示した株式投資4原則とは?
グレアムは株式投資をする際に、
安全性を重視しながら、割安株を発掘する投資方針をとっていました。
そのうえで、個人投資家に株式投資の4原則を
示してくれています。
内容としては、
- 好財務内容の一流大企業であること
- 長期にわたって継続して配当をしていること
- 株価が過去7年間の平均一株利益の25倍以下で直近では20倍以下であること
- 最低10銘柄、最高30銘柄を選んでポートフォリオを作ること
という4つの原則です。
今の波乱相場にそのまま当てはまるかといえば、
目先は、為替リスクが小さく、成長性があるものが
割高に買われています。
目先はグレアムの株式投資の4つの原則に
当てはまらないものが値上がりしているかもしれませんが、
中長期的に見て投資の基本であることには
間違いないでしょう。
特に好財務内容の値がさ優良株は反発するときの
力も大きいでしょう。
グレアムを師と仰いだバフェットがどんな銘柄を
ポートフォリオに組み入れているのか
改めて参考にしながら、
為替リスクを考慮しながらも、
反発力の大きな銘柄を安値仕込みをしていきましょう。