熊本地震でも倒壊しない新築マイホームを建売で選ぶなら耐震等級を確認!
熊本地震では多くの住宅が倒壊しました。
活断層付近にあった益城町は古い家も新しい家も
無関係に傾いたり全壊しました。
一方で周辺の古い新耐震基準を満たさない
住宅が全壊する近くにあっても
倒壊もせず傾きもしない住宅がありました。
これからマイホームを新築でと考えている人には
教訓にしたい現象です。
ハウスメーカーの注文住宅や建売ではなく、
パワービルダーと呼ばれる建売業者の物件を買う時には
注意すべき点として、耐震性能を取得しているかについては確認していきましょう。
マイホームは新築建売を購入する人が多い
マイホームで注文住宅では積水ハウスが全国シェア1位で
年間1万棟以上の施工実績があります。
実はローコストが売りのパワービルダーと呼ばれる
建売業者で最も販売等数が多い
建売販売会社グループは
積水ハウスと同等の棟数を販売しています。
やはり建売のいいところは完成した物件を実際に
見てから購入を決定できることもありますから
買うか買わないかの意思決定が早くできます。
価格も家賃並での購入ができるのが一般的には
売りにしてますからコストパフォーマンスが
高いので年収との比較で購入する人も多いです。
ローコストとはいえ建売業者も上場する企業も増えてきた点でも
社会的な信頼が高まっている点も
多くのユーザーを獲得しています。
マイホームで新築物件を建売業者から買う安心感があるのは新耐震基準だから?
旧耐震基準(昭和56年6月以前)では震度5で倒壊しない水準の
耐震性が必要でした。
新耐震基準では震度6-7で倒壊しない耐力が求められるようになりました。
つまり熊本地震で九州で初めて震度7を経験したわけですが、
熊本地震の震度7クラスでも倒壊しないのが
現在の新築住宅です。
熊本地震が発生して地震が発生して、
倒壊リスクが気になるところです。
より安心感のある耐震性を確認するには耐震等級を取得した建売なのか
またどのレベルにあるかを
広告やパンフレットで確認しましょう。
震度6強~7レベルの大地震で倒壊しないレベルの家が耐震等級1
大地震とは震度6強~7レベルの地震のことを言います。
大地震が起きても倒壊しない家を作っているのが現在の新耐震基準の
住宅というのは実は正確ではありません。
NHKサイエンスZERO
現在の家屋の新耐震基準は、
複数回の揺れには耐えられない
と言う実験結果。
1回目の震度7の耐震実験で、
耐震構造の筋交いなどは
全てハズれ、耐震率が65%低下、
2度の揺れで崩壊してしまう。 pic.twitter.com/gG9XJv50qy— スナフキン㌨@HURTLOCKER㌥ (@kotaro_19661207) 2016年5月1日
現行の新耐震基準というのは耐震等級1レベルのことをいいますが、
1 震度5弱の地震に対して、構造躯体は健全、
非構造躯体の損傷は軽微
2 震度6強から震度7程度の地震に対して、建物は一部破損しますが、
人命に危害を及ぼすような倒壊、崩壊などを生じない
という2つの条件を目標に建築されています。
あくまでも人命に危害を及ぼすような倒壊をしないレベルであって、
耐震等級1の住宅は震度6強の地震では壊れてしまいます。
そこで、震度6強~7クラスの大地震が発生したとしても
家が壊れないで欲しいという希望があります。
震度7クラスの大地震で倒壊しないだけではなく
壊れない家を実現するために
耐震等級1よりもより強固な耐震性を備えている
レベルが耐震等級2、耐震等級3となります。
耐震等級には耐震等級1~3のレベルがある
耐震等級とは住宅性能表示として
- 耐震等級1
- 耐震等級2
- 耐震等級3
といった3段階で示されています。
耐震等級1とは数百年に1度の地震(震度6-7)で
倒壊・崩壊しないレベルです。
耐震等級2は耐震等級1の1.25倍の地震力で
倒壊・崩壊しないレベル
耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の地震力で
倒壊・崩壊しないレベル
と定義されています。
都内の住宅展示場に行くと
大和ハウス、積水ハウス、へーベルハウス、パナホーム、木下工務店
ミサワホーム、住友不動産、三井ホーム、一条工務店
住友林業、大成建設ハウジング、セキスイハイム
といった大手ハウスメーカーのモデルハウスを見ることができますが、
耐震等級も2以上の地震に強い家が展示されています。
そして最近では大手ハウスメーカーの建売でなくても
建売専門のローコストな建売業者の物件でも
耐震等級2~3を取得している物件があります。
熊本地震で倒壊しなかった住宅を手本に耐震等級2以上の新築建売を選びたい
現在の新築住宅は耐震等級1を満たすように
建築されています。
つまり新築物件を探すときに建売でも
耐震等級1を満たしているはずですから、
震度7の地震で倒壊しないはずです。
熊本地震では、震度6~7が2度続けざまに
発生しているので1度目の震度7では倒壊しなくても、
2回目で倒壊してしまったという物件もあるでしょう。
その意味では、耐震等級が2以上であれば、
現状の新耐震基準すれすれの基準よりも
耐震性よりも高いことが証明されているので
安心感が高いです。
また、耐震等級3を獲得している建売もあるので
今後物件探しをして建売の広告を見たり、
実際に見学に行くときには
耐震等級が取得された住宅なのか
耐震等級は1から3のどのレベルなのかを
確認することをお勧めします。
⇒八代市役所 倒壊リスクで新庁舎建設も活断層に注意!築年数が古いマンションは大丈夫か?
マイホーム取得をするのに注文住宅ではなく
建売だったとしても耐震等級3であれば
目に見えない安心感は大きいでしょう。
耐震等級は地震保険でも割引率が違う!
耐震等級には1~3の等級があることがわかりました。
新築をして火災保険に地震保険をつける時に、
地震保険について割引率が違っています。
- 耐震等級1の物件は割引率10%
- 耐震等級2の物件は割引率20%
- 耐震等級3の物件は割引率30%
と定められています。
耐震等級3の物件を購入することで耐震性が増すメリットの他に、
万が一の時に備える、
地震保険が3割引きで加入できる点は
中長期の視点では大きな節約にも
つながる点です。
熊本の巨大地震を経て、やはり耐震等級3は今後選択基準の目安に!
日経BP社から出版された「なぜ新耐震住宅は倒れたか」
では、実際に熊本地震でも、
耐震等級によって住宅の耐震性が大きく違っていることが
示されています。
現行の耐震基準(耐震等級1レベル)すれすれの住宅では、
阪神大震災を再現した実験では、
横方向に、12度も家が傾斜してしまいました。
(もう、崩壊寸前です)
全く同じ間取りの家で、耐震等級3の住宅では、
横方向に2.2度の傾きで済んでいます。(これでも重大)
つまり、巨大地震では家の耐震等級によっては、
命に大きく影響するともいえるのです。
勿論、耐震等級がすべてではありませんけれども、
では、あらゆる角度から、
どうして、築年数が新しい物件が熊本地震で倒壊してしまったのかに
ついて、写真入りで詳しく説明しています。
家を建てようとする人だけではなく、
耐震補強や耐震リフォームをしようとする人、
耐震診断を検討している人にも
お薦めの一冊です。
基準法に則って建てるならば、どの家も耐震基準1になっているのが今の基準法。敢えて確認をするのならば、2や3に上げる対策を取っているのかどうかです。
更に加えるならば、元日本建築学会会長である和田章氏も言っているように、これからの地震対策は耐震だけではなく免震や制震などの普及が必要であると言っています。