森和俊京大教授は米国のノーベル賞=ラスカー賞受賞者!その経歴とは?
森和俊京大教授はアメリカのノーベル賞とも呼ばれる、
ラスカー賞(アルバート・ラスカー基礎医学研究賞)を
2014年に受賞しています。
ラスカー賞を受賞した約2割の研究者がノーベル賞も受賞しているだけに、
森和俊京大教授はノーベル賞候補としても
注目を浴びている方です。
岡山県倉敷市出身の森教授の経歴も併せてみていきます。
森和俊京大教授はアメリカのノーベル賞=ラスカー賞受賞者!
森和俊教授は、生物学の新しい分野となる「小胞体ストレス応答」という研究分野を
切り開いたことなどの功績で、ラスカー賞を受賞しています。
小胞体とは?
森和俊教授の著書「細胞の中の分子生物学」
には、電子顕微鏡でみた真核細胞の中に、
小胞体がどんな形状をしているのかが、
掲載されています。
画像をご参照いただくとわかる通り、
細胞内を構成する1つの要素です。
細胞は新陳代謝を繰り返しています。
たんぱく質がつくられるときに、正常なたんぱく質なのか、
異常なものなのかを見極めるや割を果たしているのが、
小胞体の役割の1つでもあります。
小胞体は体内で生成されるたんぱく質の品質管理役となっているのです。
小胞体の第2の役割としては、構造上、異常なたんぱく質が
多く蓄積する、危機管理能力が発揮されて、
自ら、修復をする働きがあることもわかっています。
小胞体ストレス応答とは?なぜノーベル賞候補なのか?
小胞体ストレスとは、小胞体に異常なたんぱく質が多く蓄積して、
細胞に悪影響を与えストレスを感じている状況です。
ストレスを感じることを、応答(レスポンス)と呼んで、
小胞体ストレス応答と言われています。
森和俊教授の著書「細胞の中の分子生物学」
には京都大学での講義を一般向けに書かれた本のなかで、
小胞体ストレス応答について、
わかりやすい解釈をしてくれています。
小胞体ストレス応答は、さまざまな生命現象が成立する
ように裏で支えている、細胞が持つ基本インフラ(下支え構造)
である、というのが現在の私の結論です。
ですから、いろんな場面で顔をのぞかせますし、この仕組みが破綻すれば、
病気になります。
出典:細胞の中の分子生物学
細胞が生き生きとして、健康でいられるのは、
小胞体ストレス応答があるおかげですね。
森和俊教授の基礎研究のお蔭で、多くの
病気のメカニズムが解明されていく可能性が
出てきているのです。
ノーベル賞受賞者は新しい分野の開拓者です。
森和俊教授の基礎研究が今後多くの創薬などに
応用される可能性があるのです。
詳細は、森教授の著書を一読ください。
ビジネスや医療について、多くのヒントが
得られるのではないでしょうか?
森和俊京大教授の経歴とは?
森和俊教授は1958年7月7日生まれ、
岡山県倉敷市のご出身です。
京都大学へ進学していますけれども、
首都圏にあるような私立の英才教育をうけてきた
わけではありません。
倉敷市立本荘小学校
倉敷市立味野中学校
(元関脇 鷲羽山(現出羽海親方)や
元WBC世界チャンピオン辰吉も中学の同窓生)
という風に、普通の公立小学校、中学校を
卒業しています。
子供のころは運動はダメで、理科や算数(数学)が
得意な子供だったといいますけれども、
剣道は5段の腕前です。
子供のころから、推理小説好きで、
謎を解き明かすことが好きな性格が
研究者として、開花していきます。
岡山県立倉敷青陵高等学校を卒業していますが、
名門校とはいえ、公立高校ですし、
灘や開成のような名門私立というわけでもありません。
高校時代まで、一般的な公立中学から公立高校へ進学しています。
しかし、天才ぶりを発揮するのは
京都大学への入学以降ですね。
1977年 京都大学工学部合成化学科入学
1978年 京都大学薬学部製薬化学科へ転学部
1981年 京都大学薬学部製薬化学科卒業
1983年 京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
1985年 京都大学大学院薬学研究科博士課程中途退学
1985年 岐阜薬科大学助手
1987年 薬学博士(京都大学)
1989年 米国テキサス大学博士研究員
1993年 HSP研究所主任研究員
1999年 京都大学大学院生命科学研究科助教授
2003年 京都大学大学院理学研究科教授(生物科学専攻、生物物理学教室)
森和俊教授は地方公務員の安泰な地位を捨てた経歴も!
森教授は京都大学大学院に進学後、大学に残るためには、
当時は順番待ちの状況でした。
偶然にも、岐阜薬科大学助手として赴任する機会に恵まれて、
地方公務員としての安定的な収入をベースにしながら
研究を続けることができています。
与えられた研究テーマでがん研究の一流科学誌(cancer research)
で論文発表をしたあと、新たなテーマが見つからずに、
地方公務員の地位を捨て、米国テキサス大学へ研究員として
飛び込んだことがきっかけで、
小胞体についての研究分野を見つけることにつながります。
同じノーベル賞候補である本庶佑教授、2015年にノーベル賞を受賞した
大村智教授、アメリカへの武者修行が
その後の大きな研究成果に繋がっていますね。
本庶佑教授については、
⇒本庶佑教授は神戸の先端医療振興財団理事長!ノーベル賞受賞者の共通点とは?
をご参照ください。