プランクトンや顕微鏡が中学受験で注目される理由とは?
中学受験の理科では、暗記力を問うのではなく、
思考力を問う問題を出題したいという
出題者側の意図からすると、
月の満ち欠けなどの天体分野や
天秤やばねばかりなどの力学分野などが
今後も重視される傾向は続くでしょう。
しかし、このところ、物理の重要性もさることながら、
地道な調査と実験によってノーベル賞を受賞する
日本人が連続して出ています。
ノーベル生理学・医学賞の分野では、
2015年、2016年と2年連続受賞となりました。
研究の仕方は微生物を顕微鏡で観察することから
スタートしているのです。
その意味では、中学受験の理科の分野でも
微生物の1種であるプランクトンや観察道具としての
顕微鏡について出題される可能性も
高まっていくかもしれません。
ノーベル賞を受賞した日本人は顕微鏡の達人で微生物の研究で受賞!
日本人でノーベル生理学・医学賞を2015年に受賞したのは
大村智教授です。
ゴルフ場の地中から採取した放線菌(ほうせんきん)という微生物をが、
イベルメクチンという新薬開発につながりました。
ちなみに、植物が生えている地表近くの土1グラム中には
1000万個~1億個単位の細菌がいると言われているので、
その中から、たった1つの微生物を分離(単離という)
する技術だけでも凄いことです。
2016年には、大隅良典教授が顕微鏡を活用して、
酵母の観察を通して、
オートファジーを発見したことで
ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
いかに、微生物の観察や顕微鏡を活用することが
重要であるのかが理解できます。
中学受験でも理科教師は顕微鏡観察を重視する流れに!
ノーベル賞受賞は、出身校がよく注目されます。
その意味でも、ノーベル賞受賞に限らず、
世界的な研究者として名声をはせるような研究者が
出身校から出たとなれば、
学校の評判、偏差値アップにもつながっていきます。
教育現場としても、今後はバイオ関連の
研究が盛んになることは理解しているでしょうから、
顕微鏡や微生物、プランクトンなどに興味がある
生徒に入学して欲しいという思いは
ありえるのではないでしょうか?
中学受験微生物ではプランクトンと顕微鏡の取扱いを重視か?
ただし、小学6年生が受験をする中学受験のレベルでは、
出題できる範囲はプランクトンや
観察に必要な顕微鏡、そして、
食物連鎖などある程度は限られるのは現状です。
しかし、単なる暗記ではなく、出来る限り、
子供に対して興味を持ってもらえるように
学んでいくことが受験だけではなく、
将来にもつながる教育方法ではないでしょうか?
プランクトンの意味は?
まずは、基本的なことですが、プランクトンとは、どんなものなのでしょうか?
ミジンコやゾウリムシがプランクトンだということではなく、
そもそも、プランクトンの意味も確認しておきましょう。
泳ぐ力が弱くて、水にただよっている生物を
プランクトン(plankton)といいます。
巨大プランクトン
船の上からでも見えるような(肉眼で)ものを
巨大プランクトンといいます。
巨大プランクトンの例としては、
クラゲです。(ゆらゆら、ただよっているだけですね)
小型プランクトン
0.06ミリ~1ミリ以上あるものを小型プランクトンといいます。
微細プランクトン
小型プランクトンよりも小さいものを微細プランクトンといいます。
超微細プランクトン
5マイクロメートル(0.005ミリ)以下の大きさのものを超微細プランクトン
といいます。
プランクトンが生息する場所は?
予習シリーズでは、いきなり、
池や沼の小さな生物といしてプランクトンを
紹介しているのですけれども、
プランクトンはどこに生息しているのかを
理解することも大切です。
一般的に微生物がいる場所とは、
湿地、どぶ、池や沼、海辺、汚泥処理場
などです。
どぶの色が真っ黒だったり、緑色だったりするのは、
生息するプランクトンの種類が違うからです。
赤潮とよばれる現象は海や川や湖で発生するのですが、
発生するプランクトンの種類によって、
赤色、オレンジ色、赤褐色などの色が変化していきます。
湖の透明度を増すためにはどのプランクトンが
繁殖しているかを確認して、
食物連鎖を利用して、繁殖しすぎたプランクトンを
除去することも可能です。
各大学の研究機関では、湖ごとに水質を常に調査研究している
人たちの存在もあります。
中学受験で覚えておきたいプランクトンとは?
プランクトンは植物性と動物性プランクトンの2つに
分類されています。
植物性のプランクトン
ハネケイソウ
ミカヅキモ
ツヅミモ
イカダモ
クンショウモ
ハコガタケイソウ
動物性プランクトン
ゾウリムシ
ラッパムシ
ミジンコ
ミドリムシやボルボックスなどは、葉緑体で光合成を
行うとともに、べん毛という運動器官をもっているので
動き回ることもできます。
顕微鏡を購入して遊ぶのもいいかもしれませんが、
プランクトンにはどんなものがいるのかを
インプットしてからのほうが効率がいいですし、
顕微鏡で観察できたときの喜びも増しますね。
微生物は環境問題としてのテーマ性も
地球上で微生物の分解作用によって
ものが腐り、土に帰らなければ、
生物は生きながらえなかったであろと考えられています。
植物が枯れて、腐り、
二酸化炭素やアンモニアとして飛散して、
残りが土になる過程では、
昆虫、キノコ、カビ、酵母、細菌によって
分解されています。
土の浄化作用、川の浄化作用などのテーマがありそうです。