纐纈守岐阜大教授 オオキンケイギクに抗がん作用発見!フラボノイド系の4―メトキシランセオレチンとは?



いよいよ2015年は日本人がノーベル賞を2人も受賞した年ですが、

ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智教授の研究を彷彿とさせるような

 

研究結果の報道がありました。

 

岐阜大学纐纈守教授オオキンケイギク抗がん作用のある

有用物質が含まれていることを発見したいうのです。

 

オオキンケイギクからフラボノイド系の化合物6種類を抽出して、

中でも「4―メトキシランセオレチン」という物質については

 

市販の抗がん剤と同等の強い抗がん作用を

確認できたと言います。

 

纐纈守岐阜大教授がオオキンケイギクの花から抽出したフラボノイド系の化合物

「4―メトキシランセオレチン」の研究についてみていきます。

 

 

岐阜大学の纐纈守教授がオオキンケイギクに抗がん作用を発見したのは天然成分である点が画期的!

これまでの抗がん剤というのは人工的に作られた薬ですが、

纐纈守岐阜大教授がオオキンケイギクの花から抽出した

 

抗がん作用が認められた物質は「天然成分」です。

 

人工的に作られたものではなく、オオキンケイギクの花という

自然界にあったものです。

 

それだけに、薬効は高い可能性がありえます。

 

人間が考えた物よりも、自然に存在するものの方が

パワーがありそうです。

 

ノーベル賞を受賞した大村智教授は自然界にあった

微生物を分離して単離したものの中から

 

イベルメクチンという薬が開発され多くの途上国に住む人たちを

生命の危機から救いました。

 

自然界にあるものであったことで副作用が少なかったことで

動物用に開発した薬が人間にまで応用された例です。

 

これまでの抗がん剤は効き目は強くても副作用も厳しく、

副作用で参ってしまったがん患者もいたことでしょう。

 

 

纐纈教授が発見した天然成分に抗がん作用があるという

研究はこれまでの抗がん剤よりも

 

天然成分であることで体に優しい可能性があるのです。

 

私の個人的な推測ですが、

 

副作用が小さくなって、抗がん剤としてがん細胞を死滅させる

パワーがあれば、今までの抗がん剤を上回る

抗がん効果が期待できるのです。

 

 

纐纈守教授がオオキンケイギクの花の「4―メトキシランセオレチン」に抗がん作用を発見した独自性!

 実験では培養したヒトの白血病細胞に各化合物を投与し観察。

うち「4―メトキシランセオレチン」を与えた細胞は2日後には約20%に急減した。

市販抗がん薬と同等の強い効果で、DNA鎖を切断し細胞死に導いたと考えられるという。

 

 4―メトキシランセオレチンは他ではほとんど報告例のない化合物で、

纐纈教授は「オオキンケイギクは希少なフラボノイドの供給源。

安全性を確認し、効果を高めて薬にする可能性を見いだしたい。

花以外の部位からも役立つ成分を探したい」と語った。

 

 纐纈教授によると、オオキンケイギクから抗がん作用を見いだした研究は、

他に例がないという。

 

引用元:http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20151230/201512300918_26421.shtml(岐阜新聞)

 

誰もやっていないことに目を向ける発想力が凄いですね。

 

オオキンケイギクの花にはフラボノイド系物質が含まれている

という前提はあったとしても、

 

抽出した6物質の中から、「4―メトキシランセオレチン」には

抗がん作用があるところまでたどり着いたのは独創性、

発想力の差なのでしょうか?

 

コンピューターを駆使した今風の創薬の在り方と比較して、

再度、遠回りのように見える泥臭い研究姿勢の重要性が

浮かび上がってきます。

 

岐阜大工学部の纐纈守教授の経歴とは?

纐纈守教授の経歴を確認してみます。

 

纐纈 守(コウケツ マモル)

経歴

  • 1985年 – 1987年 岐阜大学 助手 工業短期大学部
  • 1987年 – 1996年 太陽化学総合研究所基礎研究所 主任研究員
  • 1999年 – 2000年 The University of Iowa, Visiting Assistant Professor
  • 1997年  岐阜大学助手 工学部
  • 2003年  岐阜大学助教授 生命科学総合研究支援センター
  •       岐阜大学教授 

 

研究分野

  • インドネシアの薬用植物から生理活性化合物の探索
  • ローカルの植物や食物からの活性化合物の探索
  • 有機合成による構造の修飾
  • 構造活性相関

 

研究分野を拝見すると、岐阜県にある植物や食物について

活性化合物を研究されていたことが分かります。

 

纐纈先生と岐阜県に咲いていたオオキンケイギクの花との

縁が感じられますね。

 

纐纈守教授の研究がユニークなのは専門が天然物化学だから!

纐纈教授の研究がユニークなのは専門が天然物化学という分野だからでしょう。

 

ポピュラーな分野ではない気がします。

天然物化学については以下をご参照ください。

 

天然物化学の方法論

天然物化学の目的は有用な物質を発見し、それが本当に有用であるかを確認し、

もし有用ならば、その供給法を確立することにある。

 

天然物の単離

有用な物質を発見するために、すでに有用な作用が知られている

生物体からその作用をもたらしている物質を単離する。 

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%84%B6%E7%89%A9%E5%8C%96%E5%AD%A6

 

単離というのはごちゃまぜ状況の混合物から、

目的の物質を純粋な物質として分離することです。

 

ノーベル賞を受賞した大村智先生は地中にいる

多くの微生物の中から、1種類だけ

 

いままで発見されなかった微生物を単離できたことが

新薬の創薬につながりました。

 

纐纈教授の場合にも植物などから特定の成分を単離する

実験技術に長けてないと研究成果はでなかったでしょう。

 

抽出方法にも独自のマル秘テクニックがあるのでしょう。

 

単離して新しい物質を取り出す成果は

言うのは簡単ですが、血と涙と、汗の結晶です。

纐纈教授の著書に「機器分析ナビ」という専門書が

化学同人から出版されていますけれども、

 

専門の知識があり、かつ化学分析を行う上で

機器の利用方法や活用方法を詳しく解説できる教授は

 

実験上手で、新たな発見をする土台があります。

 

知識も重要ですが、機器を縦横無尽に使いこなす

技術力も新発見には重要な要素です。

 

今回の発表があった「4―メトキシランセオレチン」が

まさに、菊の花から単離に成功し、抗がん作用も確認ができた

天然物質についても、

 

新しい発見の裏には、我慢強く分析機器を使い倒す

技術力と体力も必要だったのではないでしょうか?

 

 

黄色い色素には創薬や健康食品を考えるヒントになる可能性がある!

裏出良博筑波大学教授が発見した快眠物質は何種類かあるのですが、

その中には、黄色い着色料として天然に存在する物質があります。

 

人が快眠をする手助けになる天然成分です。

 

岐阜大工学部の纐纈守教授は菊の花という黄色い物の中から

抗がん作用のある物質を発見しました。

 

参考記事⇒裏出良博筑波大学教授が発見した快眠物質についてはこちら!

 

纐纈守教授の今後の研究成果をバックアップする大物スポンサーが

表れて、早期に新薬の創出が実現できることを期待します。

 

 







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