熊本地震で1階駐車場部分が崩落マンションの事例!ピロティ構造の弱点とは?
熊本地震によって熊本市西区にある7階建てのマンションで
1階部分が駐車場になっているマンションが崩落して傾いてしまいました。
巨大地震では1階部分が駐車場のマンションというのは
強度が十分ではないものもある事例です。
熊本地震を他人ごとにせずに、ピロティ構造の弱点を
マイホーム探しの教訓にしていきたいと思います。
熊本地震で1階駐車場部分が崩落したマンションの状況は?
マンションの1階部分が崩落して
立ち上がりの支柱が押しつぶされていました。
1階部分の天井が車の屋根にぶつかって
車が地面と天井に挟まれています。
熊本市西区、大きいマンション。
一階部分がひしゃげてる。 pic.twitter.com/Q50QLdmHbV— わたママ・NO WAR (@wtrmama) 2016年4月15日
1階部分の支柱からは鉄筋がむき出しになっていて
支柱のコンクリートが破壊されています。
また、マンションが傾いたために
壁にも亀裂が入っています。
各住戸の扉も変形してしまい、
扉があかずに救出された人も出てしまいました。
同じ熊本市西区にありながらも
無傷に近いマンションがある一方で
大きく傾いてしまったのは
1階部分が駐車場であることによる
強度不足もあったのではないでしょうか?
1階部分が潰れたマンションは築年数が古かった!旧耐震基準か?
また、1階が潰れているマンションの画像を見ると
老朽化した古いマンションであることも
確認できました。
昭和40年5月に完成した2016年4月現在で築年数が50年の
ということも言えるでしょう。
マンションだけではない益城町では病院のピロティ柱も被害に
益城町古閑にある病院の1階部分のピロティ柱も
熊本地震でせん断破壊を起こしていました。
台湾地震で全壊したマンションも1階部分が駐車場のピロティ構造だった!
2016/2/6に発生した台湾地震でマンションが全壊したことが
問題になりました。
手抜き工事が原因なのですが、
1階部分が駐車場になっているピロティ構造であることも
強度不足であった可能性が指摘されました。
ピロティー構造とは1階部分を柱で支えて駐車場などの
空間をつくって、2回以上に居住スペースや事務所や店舗を
作る建築工法をいいます。
台湾地震、熊本地震、
偶然にピロティ構造のマンションに被害が出ました。
ピロティ構造でも強度が十分であれば
耐えられたのでしょうけれども、
設計段階でどのくらいの震度を予測して
構造計算をしていたかによります。
⇒台湾地震でマンションが倒壊した原因を教訓にして物件購入時の注意点についてはこちら!
今回の熊本地震で1階部分が駐車場になっている
マンションの被害が大きいことを教訓にして
マイホーム探しをしていきたいものです。
ピロティ構造はマンションだけではなく
戸建てにもありますので、
中古マイホームを探している人は
耐震強度には注意を払いましょう。
また、賃貸物件についても所有するリスクはありませんが、
地震発生時の危険性が高まるので
1階部分がどのようになっている物件なのかには
注意をしましょう。
ピロティ構造の既存マンションでの地震対策はどうするべきなのか?
賃貸で住むマンションではなく分譲マンションなどの場合や、
人が多く集まる建物がピロティ構造である場合には、
地震対策を講じることも大切です。
具体的な方法としては、
- 1階ピロティ部分の開口部に鉄骨のブレースを設置
- 1階ピロティ部分の柱に炭素繊維シートを巻く
- 1階ピロティ部分の開口部の耐震壁でふさぐ
といった方法があります。
1の鉄骨ブレースを設置するというのは地震などの外力に対して、
建物の軸組を強化するために入れる筋かい(斜め材)のことです。
2の炭素繊維シートで柱や梁を巻くことで、柱や梁(はり)のじん性(粘り強さ)を
向上させることができます。
じん性(粘り強さ)を高めることができれば、
地震エネルギーを吸収させることができるので
地震対策になります。
3の開口部分を耐震壁でふさぐ意味は壁量を増やして
補強をする方法です。
(1のように筋かいで対応する方法と同じ目的です)
ピロティ構造はダメだということではなく、
耐震性が備わっていれば地震の時の倒壊する危険性が
少なくなります。