青森県の夏のイベント「荒馬まつり」に全国から若者が参加する理由は、今別町での交流から生まれる男女ペアで踊る楽しみ?
東北弁、津軽弁の方言で親しみやすいキャラクターの
吉幾三さんは青森県五所川原市の出身です。
その五所川原市には、今別町という
人口3000人弱の小さい町が隣接します。
今別町は津軽半島の北端にある町で、
津軽国定公園で有名なのですが、
郷土芸能で知る人ぞ知る夏祭りのイベント、
荒馬まつりの行事を持つ町としても有名です。
青森県青森市のねぶた祭りは華やかで、
全国から人を集めるのは
よく毎年ニュースになりますけれども、
今別町の荒馬まつりはマイナーなイメージがあるのに、
なぜ全国から若者が集まるのか、
その理由・魅力について考えてみました。
荒馬まつりに参加しているのは20代中心の若者!全国から訪れる理由は大学のサークル単位で参加して男女ペアで楽しむから
荒馬まつりは花火大会のように見て楽しむというよりも、
参加型の踊りです。
荒馬まつりはどんな踊りかというと、
男性が「馬」(荒馬)の役割を、
女性が荒れ狂う馬(=男性の役割)の手綱をとり、
時々コントロールする「人」の役割をして、
男女がペアになって踊り歩きます。
この荒馬まつりに参加しているのは地元の人はもちろんですが、
なぜか、夏になると1週間ほどの期間、
荒馬を踊りに全国から参加者が来てくれます。
荒馬を踊る人たちの年齢構成は
比較的若い人が多いのが特徴で、
10代後半・20代・30代の人が多いようです。
若い人が多い理由は、
大学のサークル単位で参加するからです。
(他にも理由はあるでしょうけれどもね)
ちなみに、参加大学は、
宮城教育大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、名古屋大学
などです。
サークルの中には、
先輩から後輩へ荒馬まつりへの参加が継承されていく
大学のサークルもあるみたいですよ。
大学のサークル時代に今別町の荒馬まつりを経験した人は、
「荒馬の踊り」の楽しみを大学時代に終えるだけではなく、
大学を卒業して社会人になってからも、
今別町に行きたくなって、
県外から、自分の故郷のように夏以外の季節に
訪れるようになる人もいるそうです。
青森県の夏のイベント「荒馬まつり」の魅力は、今別町の人たちとの交流を通して受け入れられる喜びや癒しでは?
青森県出身の吉幾三さんは、
「俺はぜったいプレスリー」という曲で
デビューして、ブレイクしました。
東北弁、青森弁(津軽弁)で歌う曲が受けたのは、
方言そのものが面白かったのでしょうね。
また、ブレイクした別の理由として、
人々が持っている田舎(故郷)への思いであったり、
青森が持つ素朴さによる癒しであったり、
無意識のうちに人が求めている感性にマッチしたのだと思います。
最近では、山形県出身の歌手・朝倉さやさんが、
山形弁で歌う曲が大ヒットしているんですけど、
ご存知ですか?
これも山形弁の持つ素朴さや温かさなど、
人々の心が癒される何かがあるから支持されているのでしょう。
全国の若者が、
北国・青森県津軽半島北端の地での「荒馬まつり」に参加する理由は、
「地域の人たちにふれあう交流を目的としているから」
だと思います。
荒馬まつりに参加する若者が、
青森弁(津軽弁)で接してくれる地域の人たちとの交流の中で、
温かい コミュニケーションや
地域の人たちに 受け入れられることの喜びや
心の癒しを求めて踊るのが魅力なのだ、
と私は思います。
この荒馬の踊りでペアを組んだことをきっかけにして結婚した夫婦が何年かたって、
荒馬まつりで交流を持った町の人たちに、
「学生時代はお世話になりました。
踊りに参加したおかげで私達は結婚でき、
子供まで授かることができました。
本当に感謝しております。」
という強い想いで、
子供を連れて挨拶に来ることもあるそうです。
こんなエピソードが生まれるのは、
「荒馬踊りを通しての交流のたまもの」
だと思います。
荒馬まつりという夏のイベントには 、
都会で人間関係が希薄になった私たちが
今別町の人たちとの交流を通して、
青森県の風土や津軽弁に
癒されているのだと思います。