へーベルハウスは大丈夫なのか?浅野敏雄旭化成社長と子会社社長発言との整合性に違和感も?
横浜市都筑区の大型マンション
「パークシティLaLa横浜」の1棟=ウェストコート(西棟)が傾いた問題で、
東証一部上場の旭化成・浅野敏雄社長と
子会社の旭化成建材社長が同席し
2015/10/20午後に都内で
記者会見しました。
子会社の旭化成建材(東京)が施工した
杭を打つマンションの基礎工事で、
杭打ちデータ改ざんの不正行為が
あったことについて
「居住者に迷惑を掛け、信頼を損なうこととなり、深く深く反省し、
おわび申し上げる。大変申し訳ありません」
と涙ながらに謝罪しました。
旭化成という大企業の社長が泣きながら
お詫びをするという姿を見て
その涙は本当に申し訳ない
と思っているのか
浅野社長の精神的な弱さでなければ
いいなと感じました。
2005年に起こった姉歯事件と同じくらいの
社会問題にもなりそうな出来事ですが、
我々の関心は
旭化成がへーベルハウスを展開している点で
へーベルハウスは大丈夫か?
という心配です。
記者会見の内容を通して
感じた印象から、
旭化成が杭データ改ざん問題を解決できる
誠実な企業であるのか、
浅野敏雄旭化成社長の経歴なども併せて
見ていきたいと思います。
旭化成のヘーベルハウスは大丈夫か?浅野社長の経歴とは?
旭化成社長の浅野社長ですが、
記者会見で涙ながらの
謝罪がありました。
引責辞任についての可能性なども
質問されましたので、
いろんな思いがあって
涙が流れたのだと思います。
浅野社長の経歴ですが、
- 1952年 富山県生まれで今年63歳。
- 1975年 東京大学薬学部を卒業 旭化成工業(現・旭化成)へ入社。
- 2001年ライフサイエンス総合研究所長。
- 2010年 旭化成ファーマ執行役員を経て10年同社社長。
- 2011年 旭化成執行役員
- 2014年4月旭化成社長
- 2014年6月 代表取締役社長
- 出身高校:富山県立高岡高校
- 薬学博士
- 長く在籍した部門:医薬品の研究開発
以上の経歴に見るように、
浅野社長は富山県ではトップクラスの
公立高校である高岡高校の出身です。
富山県では最も東大合格者が多い
進学校です。
高校卒業後は薬学部に進学しますが、
大学は東大です。
旭化成に入社してからも
旭化成ファーマをを中心にした
医薬品の研究開発の部署に
長らく在籍していました。
本体の旭化成の社長に2014年に
抜擢されます。
つまり、経営者としては研究開発力を
背景にした手腕が大きいのでしょうけれども、
旭化成が展開するへーベルハウスの事業部門や
建設業法や宅建業法、建築基準法などに従って
マンション建設や住宅建設を
行う部門の出身ではありません。
記者会見で、涙ながらに謝罪した理由は
専門分野ではないことによる、
先々の見通しができないことへの
不安もあったのかもしれません。
また、薬学部卒業で研究開発部門に
長らく在籍していましたから、
不動産業界や建築業界によくある、
利益至上主義の風土で仕事をしてこなかった
点はむしろ安心感でもあります。
いずれにしても、言葉通り、
誠実な対応を求めたいと思います。
私は個人的には涙ながらの会見には旭化成社長の
誠実なお人柄が表れていたと信じています。
旭化成へーベルハウスブランドで施工した住宅は大丈夫か?旭化成副社長と旭化成建材社長の発言の整合性に違和感も!
これまでの旭化成建材社長前田 富弘氏は、
杭打ちこみデータの改ざんなどが
あったことについて、
現場での施工担当者に悪意(※)があって、
意図的に改ざんをしたと 説明をしてきました。
※悪意とは意図的にという意味です。
私の感想としては、ずいぶん正直な発言で、
原因解明に向けて、本当のことを
意識的に会社の責任として発言する
勇気や発言内容には関心していました。
ところが、10/20の旭化成本体の副社長の説明によると、
悪意があってやったのではなく、
施工自体は現場のものに確認したけれども、
問題がなく対応をしたつもりだと
弁解が多い印象で説明をしていました。
旭化成本体の社長や副社長と、旭化成建材社長の
これまでの発言のニュアンスにやや食い違いがあることで、
問題解決が早期に完了できるかについて心配になりました。
更に、現場は手抜きをするような体制は
一切ないといいながら、
データの転用をしたことは事実で申し訳ないと
いうのですから、話が矛盾しています。
旭化成が悪質な会社ではないと言いたいのでしょうけれども、
弁解など聞きたくありません。
膿は早期に出し尽くしたほうが早く解決するものです。
そして旭化成なら早期解決ができる会社だと
個人的には期待しています。
旭化成へーベルハウスは大丈夫かと心配するほどブランドを信頼してきた!社長は誠実さで社会的責任を果たすべき!
私たちが旭化成に求めているのは
企業としての誠実さです。
旭化成を信頼してどれだけ多くの人が
住宅(へーベルハウス)を建築してきたことでしょうか?
横浜の傾斜マンション杭打ち工事の不具合と
戸建てのへーベルハウスの施工方法が違うことは
理解しているつもりですが、
業界のことを知らない人たちは、
旭化成のへーベルハウスは大丈夫なのか?
という風に、短絡的に感じてしまうものなのです。
私がこのブログで、「旭化成の住宅は大丈夫か」
と懸念するのは、市場の声を代弁しているつもりです。
この懸念は払しょくするためには旭化成に
企業としての誠実さが必要です。
それには改ざんを意図的にしたのであれば、
その事実を、曲げないで
悪いこともすべて、問題解決の為に
旭化成自体が「世間が心配する気持ちを正しいと理解」して、
原因解明をすることなのです。
旭化成には、皆さんと同じスタンスで、
この問題に取り組みますという
メッセージを皆が望んでいます。
旭化成は日本を代表する上場企業であること、
社会的な責任がある企業であるからこその
私の思いでもあります。
旭化成が過去に施工した物件についての保証は10年以内か否かで変わると発言あり。へーベルハウスは大丈夫か?
旭化成のへーベルハウスはハウスメーカーの
一角で、ブランド力があるので
高価な住宅になります。
旭化成のライバルは業界大手の
積水ハウスですが、
共通しているのは構造が軽量鉄骨である点です。
戸建ての場合は基礎について、
必ずしも杭を打ち込むとは限りません。
ですから横浜市のマンションで発覚したような
傾くことが問題になりづらいでしょう。
気になったのは、記者会見で、
10年以内に施工したマンションは
都筑区であったマンション同様に
全て保証の対象になる
と発言していますが、
10年を超えると、データがないために、
必ずしも同じような対応が
できないかもしれない
というような発言がありました。
大切なお客様の施工データーが十分に
完備されていないのは
アフターケアの点で問題です。
中古住宅の今後の流通性という意味でも、ハウスメーカーによる
一貫したメンテナンス歴の有無は
へーベルハウスで建築したお客様が売却をするときに
今後、売却価格にも影響するようになるでしょうし、
なにより、購入する人が安心です。
戸建ての例で言うと、
旭化成のへーベルハウスは
屋根がないタイプの住宅があります。
屋根がないのに雨漏りは大丈夫なのか、
心配になります。
旭化成の住宅を雨漏りさせないためには
へーベルハウスの場合は
防水シートを定期的に
交換する必要があります。
つまり、1件1件について、
しっかりとしたデータがなければ
アフターケアはできません。
ですから、10年を超えると、
データがなくなっているから
同じように対応はできかねるといった
発言は逃げ道を作っておいた
言い方に聞こえます。
横浜市都筑区の傾いたマンションをすべて
旭化成が建て替え費用を提供しても、
旭化成全体の1年間の利益の半分以内の金額で
賄うことができます。
その意味では旭化成は大丈夫か?という
心配はほぼないのですが、
これまで施工した物件の多くに欠陥が見つかるようであれば、
大変な事態になりかねません。
旭化成のへーベルハウスが大丈夫か?という疑念に対して問題がないことの根拠は?
横浜市都筑区のマンションの傾斜で
旭化成ブランドが揺らいでいます。
旭化成建材では、残念ながらデータ改ざんが行われましたが、
読者の方から、
「戸建てのヘーベルハウスは旭化成ホームズという、旭化成建材とは完全に別の会社が杭工事を行っています。」
という貴重な情報をいただきました。
マンションと戸建てで、当然工法が違います。
そのあたりは冷静に判断する必要はあります!
⒈発言の不一致について
「悪意があって、意図的に改ざんした」とする発言は「可能性がある」と言っていたはずです。今回の会見でも、その可能性は否定していません。発言の不一致とまでは言い過ぎではないでしょうか。
⒉図書保存について
建築基準法 規則第21条第5項において「保存期間は図書(図面)を作成した日から15年間」と義務付けられていますが、施工されたのは平成19年(2007年)です。10年前のデータが残っていないというのは建設業界では当たり前のことです。
旭化成は素晴らしい技術力を持った会社です。今回の件について、誠意を持って対応していただきたいですね。