セルロースナノファイバーの関連銘柄は?矢野浩之教授は自動車へ実用化を目指す!
「クローズアップ現代」(2016年1月12日(火) の放送)では、
【「未来の紙」が世界を変える!?~日本発・新素材の可能性~】と題して
京都大学生存圏研究所の矢野 浩之教授が出演されます。
紙の繊維をナノレベルまで細かくしたセルロースナノファイバー(=CNF)の
実用化を研究する先生で、日本の基礎研究を支えています。
セルロースナノファイバーの実用化が産業構造を変えるだけに
今後の株式市場での関連銘柄を探っていきます。
矢野浩之京都大学教授が研究をしているセルロースナノファイバー(CNF)の特徴と実用化を目指す分野は?
日本が資源大国となる可能性を秘めた新素材の開発が進められている。
セルロースナノファイバー(CNF)は紙の繊維をナノレベルまで細かくしたもので、
鉄の5倍の強さと軽さをあわせ持つ。紙パルプから作られるため、
森林が多く、紙産業の盛んな日本の強みを生かした産業になると期待されている。
京都大学は自動車メーカーと手を組み、CNFで軽量化した車の実現を目指す。
今後10兆円を超えるとされる市場でトップを走ろうと、国も産業化を後押ししている。
課題となる製造コストの高さを克服し、世界のライバル国との競争に勝つことができるのか。
夢の新素材の開発最前線を取材し、可能性と課題を探る。
引用元:http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/
セルロースナノファイバーは新素材として注目されていますが、
実用化される部材というのは軽くて強度が強いことが求めれます。
その意味ではセルロースナノファイバーは
- 鉄鋼の5倍以上の強度
- 鉄の比重の1/5の軽さ
というメリットがあります。
矢野教授が実用化を研究しているのは自動車の分野です。
車の部材が鉄鋼からセルロースナノファイバーに変わることで、
車の重量が大きく軽減できれば燃費向上につながります。
セルロースナノファイバーの実用化の研究は製紙メーカー主導!関連銘柄としても注目業種に!
世界的にセルロースナノファイバーの研究競争が始まっていますが、
日本は基礎研究部門では世界のトップクラスを走っています。
基礎研究を担っている一人が矢野浩之教授です。
ただし実用化の研究では海外(アメリカ、カナダ、スウェーデン、フィンランド等)
の製紙メーカーが先行していて
日本では追いかける形で、日本の製紙メーカーが
セルロースナノファイバーの実用化研究を行っています。
ですから、株式市場においてセルロースナノファイバーの関連銘柄で
中心になるのは製紙メーカーになってきます。
具体的な個別銘柄では
- 王子ホールディングス
- 中越パルプ
などです。
カーボンナノファイバーとの比較ではセルロースナノファイバーの優位性はあるか?
日本の化学メーカーの東レや帝人はカーボンナノファイバーを
研究開発し実用化もしています。
鉄の10倍の強度があって軽いカーボンナノファイバーは既に
ボーイング社の飛行機に採用が決定しています。
ただし、カーボンナノファイバーのコストは
1㎏あたり5000円以上すると言われている高価な素材です。
コストという点ではセルロースナノファイバーは
1㎏あたり、70円前後と想定されているので、
圧倒的なコストのメリットがあります。
カーボンナノファイバーは50年の歳月を経て
飛行機へ実用化されるようになりましたが、
セルロースナノファイバーはまだ10年程度の歴史です。
今後の研究開発によっては実用化が進展する潜在的な可能性があります。
また、カーボンナノファイバーは人口的に作り出すものですが、
セルロースナノファイバーは自然界にある
樹木や植物などに含まれているものですから
人間が作り出す労力やエネルギーは不要です。
セルロースナノファイバーはどこからとれる?
木材の50%はセルロースナノファイバーであり、
矢野浩之教授は木材の研究の第一人者でもあります。
日本はこれまで石油などの輸入して、
石油などを原材料にしていろいろなプラスチック商品を開発してきました。
今後セルロースナノファイバーは実用化されると、
石油を輸入する必要がなくなり、
日本の7割が森林ですが、森林にある木材から
採れるようになります。
石油をお金に変えられるオイルマネーが
株式市場では注目されることが多いですが、
遠い将来は木材がとれる山を大量に保有する人が
大金持ちになる可能性があるかもしれません。
その意味では、多くの森林を保有する商社も
注目できる関連株です。
セルロースナノファイバーの応用例からみた関連銘柄は?
セルロースナノファイバーを医療分野に応用することができます。
人工的な血管であるカテーテルの需要が大きいですが、
人工血管のような強度が必要な分野への
応用が可能です。
医療分野にも関連銘柄は探すことができるでしょう。
更にはCNFをテレビモニターへの応用、窓ガラスへの応用も考えられていますので、
家電関連や住宅関連へと広がっていく可能性があります。
矢野教授がCNFの実用化が近いと考えているのは
自動車の素材分野となります。
自動車メーカーへ素材を提供してきたのは
新日鉄住金などの鉄鋼メーカーでしたが、
今後は製紙メーカーが自動車メーカーや自動車部品メーカーへ
新素材を提供するパートナーになる可能性がでてきます。
日刊工業新聞社から「ナノセルロース」が出版されていますが、
研究動向や用途について学んでみることは、
関連銘柄の発掘にもつながるでしょう。
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