調整区域で店舗の賃貸で違法にならないための運用法は?



市街化区域内では用途区域が定められているので

用途制限にマッチしていて違法性のない建築物であれば、

店舗などの事業用物件の賃貸は自由にできます。

 

ところが、調整区域では店舗物件を賃貸するときには

やり方によっては違法となってしまうことがあります。

 

 

その理由は調整区域では基本的に開発許可申請をしたときに、

用途を限定して建物を建築しているからです。

 

具体的に調整区域内で違法になってしまう場合や

違法にはならない場合を具体的に確認していきましょう。

 

 

調整区域では建築時の用途によって賃貸できる業種が決まる

 

調整区域内で建築できるものと言えば、

ドライブイン

ガソリン・スタンド

コンビニ

 

などの沿道サービスと呼ばれる施設です。

 

ドライブインやコンビニは登記上は店舗という

種類に属するものです。

 

 

調整区域内では基本的に建築物を建てることが難しいのですけれども、

例外的に、立地条件や建築する理由などについて

 

審査の上、調整区域において建てられる建物であると

判断された時には、建築許可が降りるというわけです。

 

そのときに建物の利用の用途が明記されるので、

開発許可申請された建物は用途を守って使う必要性が出てきます。

 

例えば、当初、コンビニという用途で建築をして

一定期間営業を続けたものの、

 

健康上の問題や経営上の問題などで営業を中止してしまうことがあります。

 

その後、誰かに賃貸したいということになったりしますけれども、

用途がコンビニである以上、

 

原則、賃貸するときもコンビニであることが

求められるということになります。

 

調整区域で店舗を賃貸できる事例や出来ない事例

まずは、登記上の種別が重要になってきます。

 

登記上の建物の種類としては

  • 居宅
  • 共同住宅
  • 店舗
  • 事務所
  • 料理店
  • 工場
  • 研究所
  • 作業所
  • 倉庫
  • 旅館
  • 給油所(ガソリンスタンド)

 

などがあります。

 

そして、調整区域内で建築された

建物の種類を守っておなじ用途として、

賃貸をするのであれば、

違法性はありません。

 

例えば、居宅として建築された物件を

居宅として賃貸はOKです。

 

同様に、店舗を店舗として賃貸はOKということになります。

 

明らかに違法になるのは、

建築時の種類と違う用途へ

活用することは違法性が出てくるというわけです。

 

建築確認申請をした時の用途と食い違いがあると、

行政も黙ってみているわけにはいきません。

 

たとえば倉庫と工場は似ていますけれども、

倉庫物件を工場として賃貸するのは違法となります。

 

 

店舗物件を店舗として賃貸は合法か?

原則として店舗という種類の物件であれば、

店舗を営むような業種への賃貸なら違法性が

疑われることは小さくなります。

 

もちろん、調整区域では営業できる業種や出来ない業種があるので

店舗に入るテナントは何でもOKではない点に注意が必要です。

 

倉庫物件を店舗として利用するのは違法に

市街化区域では倉庫を活用して、

スーツを販売したり、

 

古着屋さんを営業したりすることもあります。

 

多くの在庫を抱える倉庫と在庫を販売するお店を兼ね備えるような

物件として倉庫は天井高もあって使い勝手がいいです。

 

しかし、調整区域で建物の登記上の種類が倉庫である物件を

リサイクルショップなどのお店として利用することになると

違法となってしまいます。

 

建物が倉庫とという用途として建築されて開発許可されたのに、

実際にはお店になっているというのは

行政を欺いていることにつながってしまうからです。

 

調整区域内では倉庫はあくまでも倉庫として

活用する必要性がでてきます。

 

給油所を中古自動車販売へ賃貸も違法

ガソリンスタンドが閉店した跡地で、

中古自動車の販売店として営業しているお店があります。

 

市街化区域内なら用途制限に適応していれば、

問題はありません。

 

 

 

賃貸する時のリニューアル工事をするときに、

用途変更を市町村に申請をして許可されるなら別ですけれども、

 

調整区域内では給油所という用途で建築された建物を

店舗として営業するのは違法性が疑われることになってしまいます。

 

調整区域で店舗物件を2分割して賃貸は違法になる

調整区域内で1つの敷地内に建築できる店舗は

原則として1つであることが多いようです。

 

例えば、調整区域内で、クリーニング屋さんという用途で

店舗を建築したとしましょう。

 

当初は100の大きさの建築物を全部使う計画であったのを

完成後に、50+50に分割すると

物件が2つできます。

 

つまり、店舗1つを建築することで許可がおりていたものを

2分割して1つはクリーニング店として営業して、

 

もう一つを誰か第三者に賃貸するような場合は

間違いなく違法になります。

 

用途が店舗として申請して物件の数も1物件という申請だったのに

1つの敷地内で2つは許可されていないからです。

 

調整区域内で違法性のある物件を仲介しても違法

不動産会社が所有者の要望に応じて、

調整区域内の店舗物件について、

 

事務所を探している人を仲介して入居させたりするのも

違法となり不動産業者に対して

行政処分が下ることになります。

 

一般の人は店舗、事務所、倉庫、工場などについて

賃貸人を探すときに不動産会社へ相談するかと思います。

 

できれば、調整区域での不動産取引に精通した不動産会社へ相談しないと

後で、行政処分を受けることになりかねません。

 

調整区域でも物件は売買ができますので、

賃貸よりも売却をしてしまうという方法もありです。

 

 

 

 

 





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