宇土市役所 熊本地震で半壊した理由は古い築年数と耐震診断にあった!
熊本地震の余震が続く中で、2016/4/16に
宇土市役所が半壊していることがわかりました。
熊本県宇土市は熊本市とも隣接している街ですから
被害が大きいのは理解ができます。
益城町のような大きな被害はなかったものの、
宇土市役所に倒壊は以前から心配されていて、
建て替えについての議論がなされていました。
半壊すべくしてしてしまった建物の要因を
新築年月や築年数、耐震基準、耐震診断結果などの点から
確認してみます。
そしてマイホームを中古で探すときに一戸建てだけではなく
マンションの購入の場合にも教訓にしていきましょう。
宇土市役所はどこにあるのか地図で確認
まずは宇土市役所の場所を地図で確認してください。
熊本市の南部にあることがわかります。
半壊した宇土市役所の築年数は?何年に建築された(新築年)建物か?
宇土市役所は昭和40年(1965年)5月に新築されているので、
今年の5月で築51年を迎える物件ということになります。
また構造は鉄筋コンクリート造5階建てです。
熊本県 宇土市役所 破損
鉄筋コンクリート造で築50年以上との事・・
建築基準法の耐震基準が導入される昭和56年6月1日以前に建築された建築物はその構造とコンクリートの劣化が進むとやはり地震には弱いということか。 pic.twitter.com/HmgwTRGeig
— matsuda0726 (@matsuda0726) 2016年4月15日
半壊した宇土市役所の状況がツイッター画像でもよくわかります。
勿論、昭和56年6月より前に建築された旧耐震基準の
建築物ですから宇土市の方でも耐震診断をうけていました。
宇土市役所の4階部分がつぶれた理由は?
宇土市役所が倒壊した特徴に4階部分だけがつぶれた
姿にありました。
通常ビルやマンションなど高層階に積みあがる建物は
ビルやマンションの重さが重力として下に向かってかかります。
建物の重さに耐えるためには下の階程
強い強度で設計されるということになります。
その意味で宇土市区役所は1階から3階部分は
十分な強度があったのでしょうけれども、
4階部分は1~3階部分ほどには強度が不足していたというのが
潰れた理由です。
特段の欠陥ということではなく、
旧耐震基準で造られたために
大きな揺れに耐えられなかったということになります。
宇土市役所が建て替えを検討していた理由は築年数だけではなく、耐震診断結果にあった!
宇土市役所が2003年(平成15年)に耐震診断を行っていて
その結果がでています。
宇土市役所の耐震診断結果は公開されていました。
「震度6強程度の地震では大きな被害を受ける可能性が高い。
さらには,複雑な構造が故,耐震補強が困難であり改築を
勧める」という判定を受けています。
平成28年熊本地震ではまさに震度6強の地震が発生してしまい、
耐震診断結果通りの被害を受けました。
2003年に耐震診断をしていたのですから、
もう少しスピーディーに、
東日本大震災などを教訓にして建て替えを進めるべきだったかもしれません。
遠くで起きたことは他人事で済まさずに、
熊本県外の人たちも教訓にするべきです。
宇土市役所は活断層からは離れていたものの、被害が大きくなった!
宇土市役所の被害が大きく見えるのは
活断層に近いからではないかと思うかもしれませんが、
益城町のように活断層が走っているすぐそばには
ありませんでした。
地表に活断層が表面化した御船活断層の地図を見てみましょう。
地図上の赤いラインが御船活断層です。
宇土市役所は九州新幹線よりも西側にありますから、
御船活断層に近いですが、
活断層の上に乗っていたわけではありません。
やはり倒壊寸前になったのは立地というよりも
市役所の建物が旧耐震基準建築であった為と
考えるべきでしょう。
宇土市役所が半壊したことをマイホーム購入の教訓にすべき点とは?マンション編
宇土市役所は鉄筋コンクリート造で昭和40年に建築されて建物であることを
考えると、同じ構造のマンションにも宇土市役所の様なリスクは
潜んでいると考えていいでしょう。
マンション建築には時間がかかります。
昭和56年6月に耐震基準が変わっていますが、
マンションが完成した時期が仮に昭和57年だとしても
旧耐震基準のまま完成しているリスクがあるので注意が必要です。
昭和56年以前に新築されたマンションを購入検討するときには
耐震診断結果がどのように出ているのかを確認してから
購入の意思決定をしましょう。
古くても安ければいいという考えの方もいますが、
その為に後から多額の費用の出費がでたら
逆に割高になります。
古いマンションで旧耐震基準で建築されている物件でも
耐震診断を行った結果は問題がないという
評価が出ているものもあります。
特に九州地域で中古マンション購入者は今こそ、
築年数が古いマンションと
比較的新しいマンションの外観を見に行くことをお勧めします。
大きな地震でも被害が少ないマンションなら
安心感はあると言っていいでしょう。
戸建てを検討している人は
⇒熊本城 石垣崩壊は他人事ではない!中古マイホーム購入時に擁壁は要観察!
についてもご参照ください。